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田代島 後編 [2015/04]

猫の島、田代島へ行った…のつづき。

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ピンポンパンポーン。

朝、5時半ごろ、
民宿で目が覚めてぼやーっとしていたら、
島内放送が聞こえてきた。

「本日、7時40分の石巻行の網地島ラインは
 欠航となりました」

というようなことを言っている。

やっぱりだー。
80%の確率だもんな。
今日は船が出ない。
田代島でもう一泊することが決定。

ヒジキ煮と
海藻入りの味噌汁がたまらない
朝ごはんをいただいて、
またまた島の散策に出かける。

とりあえず、
「おかあさん」こと「ちゃめ子」に
挨拶したいという次男と近所に出かけて、
猫をながめていたら、
なぜだか次男が足を痛めている。

どこでなにしたんだか、
本人も分からないが
とにかく右足の親指が痛いらしい。

しょうがない。
足が痛くて歩くのが嫌な次男と
“朝は布団が大好き”な長男を民宿に残して、
田代島のもう一つの集落、
大泊まで行ってみることにする。


結構しんどい坂道を上って、
帰りにまた上るかと思うと
ずーんと気が重くなる坂道を下って、
大泊の集落に到着。

大泊には猫がいないという噂を
ネットかなんかで仕入れていたのだが、
実際には、猫はいた。

数は少ないが、
6匹くらいの集団でたまっている。

近くを通ると、
そのうちの一匹が少しだけ近づいてきた。

軽くなでたが、
すぐにさっと身を引いた。
全般的に仁斗田の猫ほど
知らない人間にはなついてないようだ。

何より違うのが、
この大泊で出会った猫たちは、
わりと脚が長く、
顔も体もすらーっとしていることだった。

言ってみれば、美猫の一族だった。
俺の好きなタイプだな、と思った。


ツイッターやら
フェイスブックを使うようになってから、
自分の人生で大きく変わったことが一つある。

他人が飼っている猫、
しかも、かなりカワイイ猫を
「自動的に見せつけられる」ようになったことだ。

猫や犬が飼えない借家に住んでいる身としては、
かなりうらやましい気持ちにさせられる。

実際、
猫や犬を飼える家に住んでいたとしても
飼わない可能性は高い。

だが、人間というのは
「ないものねだり」が激しい動物だ。

人様の愛する猫を見せられるだけで、
自然、
妬みとか敗北感を
胸の中にふつふつと湧き上がらせているのだ。


そんなことを
田代島大泊地区の美猫、
わりと好きなタイプの猫を見ながら考えていた。

その時、自分の中で起こっている
ちょっとした異変に気がついた。

今、
グレイの美猫を目の前にして、
思い浮かべているのは
仁斗田の白黒ブチ猫なのだ。

「ちゃめ子」の後ろから現れる
もしかしたら「ちゃめ子」の息子かもしれない
太った丸顔のブチ猫。

目からヤニが出まくっていて、
脚も短く、
歩き方もよたよたしていて、
今までの俺の価値観では
「あんまり好きじゃないタイプ」の猫が、
目の前の美猫よりも
好きになっていることに気づいたのだ。


旅効果だなと思った。

自分自身でも知らなかった
自分の嗜好や楽しみを知ること。
そのために
田代島まで来たのかもしれないと思った。


帰り道の坂を上って、

『猫神社』の横を通りすぎて、

おいおいこんなところまで来てるのかと
「ネコ太郎」の行動範囲の広さに驚いて、

下り坂を歩いて、

民宿に一度戻って、

いつのまにか好きなタイプになった
白黒ブチ猫の頭をなでて、

他の猫もぼやーっとながめて、

子供たちと荒れた海に向かって石を投げて、

お昼ご飯はカップ麺のうどんを食べて、

またいろんなところで猫をながめて、

今度は荒れてない海に向かって石を投げて
子供たちと水切りの回数競争をして、

「ちゃめ子」と同じ目つきの猫に出会って
その意外な血の広がりに感心して、

またぼんやり猫をながめて、

田代島の一日が終わっていった。


二泊目の夕飯は
小さめのホヤを煮た料理がうまかった。
ずっと食べ続けていたい味だった。
試しに、
ウイスキーの水割りの缶を開けて
ホヤといっしょに味わってみたが、
かなりいける味だった。

世の中、
知らないことが多すぎるなと思った。


前夜とは違う写真集、
でもやっぱり田代島の猫の写真集を
子供たちに読んでやって、
自分の布団に入って目を閉じる。

ガラスを叩く風の音がしない。

プロが笑顔で言っていた通りだった。

翌日、
『網地島ライン』は通常通り運航した。


右足の親指をかばって歩いていたせいか、
今度は左足の甲が痛くなった次男と
船着場へ向かって
ゆっくり港の堤防を歩いていたら、
トムキャット柄の黒白猫がついてきた。

その後ろから、モサモサの茶色。

そして、その後ろから白黒の猫。

石巻行きの船が来た。
船に乗り込む。
窓から堤防を見たら猫が三匹並んでいる。

お見送りしてくれてるのか。
いや、どっちかというと、
誰か降りてこないかと見に来たんだろう。


船が出ると同時に、
トムキャット猫が
もといた網置き場の方へと
歩いていく姿が見えた。


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コメント 1

スケ

わりと好きなタイプのねこ、と、あんまり好きじゃないタイプのねこ、がいるよね。けっきょく、どっちも好きになるんだ。それと、ねこは外を歩いているねこが百倍いいよね。
by スケ (2015-04-10 01:48) 

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