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南相馬・山元旅行記 その1 [2015/09]

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文章にも“デザイン”がある。

文体だとか、構成だとか、
どんなふうに入り口を入るのだとか、
どんなふうな出口にするのだとか、
まあ、
読んでくれる人が持つ印象を考えること、
どんな気持ちや気分で読んでくれるか想像すること、
それが俺にとって文章の“デザイン”。

そいつが腑に落ちないと、
なかなか文章が書き出せないのだが、
あまりモタモタしてると
あったことを忘れてしまったり、
記憶を自分の中で変えてしまうので、
思い切って書き始めてみる。

まだ“デザイン”は決まってないんだけど。


お盆に、福島県の南相馬と
宮城県の亘理郡山元町に行った。

山元町に
サラブレッドのトレーニングセンターがあって、
自分が一口馬主になっている馬が2頭、
たまたまそこで調教されているので、
妻と二人で会いに行ったのだ。

都合よく、
子供たちもジジババの家へ泊まりに行ってるし。
敏感な競走馬がいるところに
うるさい子供を連れていきたくないのだ。


なるたけ山元の近くまで行って
前泊しようと思っていたら、
南相馬のホテルに空きがあった。
珍しいなあと思いながら、予約した。


2015年8月12日。

朝から少し仕事をして、昼前に出発。
高速道路が渋滞していないか心配していたのだが、
外環道や常磐道はさほど混雑していなかった。

福島県のいわきジャンクション。
ここから北へ、
いわゆる「浜通り」を行く。
今年の3月に全線が開通した高速道路を走る。


放射線被ばく量を計るモニタリングポストがある。
ちょっとドキッとする。
雨に濡れた森の中を走っていく。

「もしこういう深い森に放射能が降り注いだら、
 除染し切るのって難しいっていうか
 無理なんじゃないか」

などと話しながら運転する。

いわき市を過ぎて、広野町・楢葉町に入る。
サッカーのトレセン、
Jヴィレッジがあるところ。

震災直後の2011年5月、
福島県猪苗代の日帰り温泉で出会った
うちの長男と同い年の少年と、
その家族の顔を思い出した。
楢葉町から猪苗代に避難していたのだ。

おしりに蒙古斑が残っていた
あの人懐こい少年は、
今も元気に笑っているのだろうか。


常磐高速道、反対車線を
警察の輸送車がすれ違っていく。
機動隊とかの人員を乗せるバスみたいなヤツ。

最初の一台では、
運転席にいる警察官と助手席の警察官が
なごやかに談笑しているのがちらりと見えた。

その後の二台では
神妙な顔をしてまっすぐ前を向いていた。

この先一帯で
けっこうお巡りさんが配備されているんだな
と思った。

<ならはPA>でトイレ休憩、
自販機で水を買う。
ここにもモニタリングポスト。


高速道路が橋の上を走る。
と、両側が急に妙な景色になる。

黒い袋が一面に並んでいるのだ。
放射性物質汚染廃棄物の袋だろう。

緑深い森の手前に「黒い絨毯」。
その景色はかなりショッキングで、
正直、暗澹たる気持ちになる。

このゴミを
今後どうすればいいんだろう。
もしかして、
このままこの場所にどんどん置いていって、
日本中が見て見ぬふりをするように
なるんじゃないか……
などと思ってしまう。

富岡インターから
浪江インターに入るあたり、
モニタリングポストの数値が
ぐっと上がった。
少し緊張するが、普通に通り抜ける。


午後3時過ぎに南相馬インターを降りる。

降りてすぐ、
右側に大きめの魚屋さんが見えた。
宴会場もあるらしい。
市街へ走っていくと
何軒も魚屋さんが目に入る。

どんどん個人経営の鮮魚店が
閉店していく東京に住んでいる俺としては、
なんだかうれしくなってくる。
魚屋さんが好きなのだ。

福島の浜通りは
美味しい魚が水揚げされることで有名。
だから魚屋さんが多いのだろう。

福島の漁業はまだ休漁中なのだが。


夕飯までにはまだ時間があるので、
南相馬市博物館に行く。

相馬野馬追の等身大ジオラマが迎えてくれた。

展示物で南相馬の歴史をざっと学んで、
特攻で亡くなった南相馬出身の人の手紙を読んで、
南相馬市の四季を知る映画を観て、
それから
特別展の『大武者絵展』を見た。

もともと収蔵していただろう
昔の「野馬追の絵巻」とともに、
いろんな漫画家やイラストレーターの描いた
「武者絵」が並んで飾ってある。
合計204点だそうだ。

その中で、
ひときわ異彩を放っていたのが
西原理恵子氏の武者絵。
いつものタッチでのんきに描いてある。

でも、気持ちはすんごく入っている気がした。


帰り際、受付で気になっていることを訊いてみた。

野馬追の馬は普段どこにいるんですか?

「馬? 馬を飼っている家にいますよ」

基本的に一緒に暮らしているのか。
ま、当たり前と言えば当たり前だけど。


まだ時間があったので
ホテルにチェックインする前に
海岸方面へ車を走らせてみた。

海岸沿いは防潮堤が建設されている最中。
お盆のせいか、重機は動いていない。
閑散としている。
通行止めの部分がまだたくさんある。

かつては住宅や農地があっただろう土地
広がっている空き地を見ながら、
あまり復興は進んでないなあと思った。


薄暗くなってきた中、
火力発電所の近くを通った時、
3人の男子高校生がチャリンコに乗って
帰るところに出くわした。

手には竿。
チャリのハンドルから数匹の魚がぶら下っている。
すぐそこの海か河口で釣りをしていたのだ。

何を釣ったのかと
声をかけようと思ったけど間に合わなかった。
楽しそうにしゃべりながら
チャリンコを漕いで行ってしまった。


→その2へ続く
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