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『悪の教典』とわんこそば [2013/10]

ハイ、じゃんじゃん!
ハイ、どんどん!
ハイ、じゃんじゃん!
ハイ、どんどん!
わんこそばざぶとん.jpg
映画『悪の教典』の録画を観ていたら、
少し前、初めて盛岡で食べた
わんこそばのことを思い出した。


『悪の教典』の主人公、
ハスミンこと蓮実先生はひどいヤツだ。

次々と人を殺しまくる。
容赦ないったらありゃしない。

その姿を観ていて、
不快に感じる人は多いだろう。

俺も痛快というわけにはいかなかった。

うへえ。
ほげえ。
んじゃまりゃんちゃー。

という感じで観ていた。

なのに、
やめられない。

再生停止のボタンを押すことができない。

なぜだろう。
なぜなんだろう!?


盛岡でわんこそばを食べて、
意外なことが二つあった。

一つは、
そばが温かいこと。

冷たいそばが
どんどんお椀に入れられるとばかり思っていたのが、
実際は温かい。

もちろん、温かくて美味しいのだが、
初っ端から思ってもない
パンチを食らった感じだった。

そして、もう一つ意外だったこと。
それは、
生き残れば生き残るほど、
過酷な攻撃が待っていることだ。

今回のわんこそばは
家族四人で食べに行った。

四人に一人、お店のお姉さんがついてくれる。

お椀をいっぱい載せた
お盆を片手に持ったそのお姉さんが、
四人のお椀に
そばを入れていくのだ。

ハイ、じゃんじゃん!
ハイ、どんどん!

最初にリタイアしたのは6歳の息子。
15杯食べたところで
「ごちそうさまー」
と、自分のお椀にふたを閉じた。

次にお椀のふたを閉じたのは9歳の息子。
30杯完食で
「もう食べられないー」
と、後ろにひっくり返った。

3番目は俺。
朝ごはんも抜いてきたのに、
思ったより食べられない。
薬味をつまみながら味を変えたりしてみたのだが、
想像していたほど食べられなかった。
51杯。

そして、最後に妻が残された。
数はそれほど多くない。
そばをゆっくり食べていたのだ。

この瞬間、
戦場の気配が一変した。

それまで、
複数の相手にそばを送り込んでいた
お姉さんが、
標的が一人になった途端に
攻撃的になったのだ。

そりゃそうだ。
もうわんこを入れる相手は一人しかいないのだから。

いや、もちろんお姉さんは
笑顔のままなんだけど、
その笑顔が好戦的な笑顔なのだ。

妻がそばを口に入れた途端、
次のそばが放り込まれる。

少しくらいそばが残っていても容赦しない。

ハイ、じゃんじゃん!
ハイ、どんどん!

追い込まれていく妻。

だが、一度白旗をあげたら
もう二度と戦場には戻れない。

がんばる。

がんばれ。

戦いの様子を三人が見守る。

40杯も超えた。
相当苦しそうだ。
まだ行くのか、行けるのか!?

むぐぐぐ。
もう、だめだ。
敗北を認めるから許してくれ…

そんな顔で
お椀のふたを閉めようとする妻。
だが、
ふたを閉める前に
次の蕎麦が入れられてしまう!

どうする!
どうすればいいんだ!?

戦いが終わったのは
敵の弾が切れた時だった。

お盆に載せたわんこそばが終わり、
次のお盆をお姉さんが
厨房まで取りに行く……

その間合いを狙って妻が
お椀にふたを載せた。

戦いが終わった瞬間だった。


映画『悪の教典』がやめられないのは、
そういうことだ。

どんどん、生徒の数が減っていく。

最後の一人になるのは誰なんだ?

そして、その一人は生き残ることができるのか?

それともやはり、
追い詰められて殺されてしまうのか?

観客はその生徒に気持ちを載せて観ていく。
生き延びれば生き延びるほど迫りくる恐怖!
だから、やめられない。


映画のラスト、
ひとりの少女がつぶやく。

「もう次のゲームは始まっているのよ」

その通り、
もう次の戦いは始まっているのだ。

また必ず食べに来るからな。
その時は、簡単には負けないぜ!

心の中でつぶやきながら、
お勘定を払った。

ハイ、じゃんじゃん!
ハイ、どんどん!



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